道内で流通している木質ペレットには大きく分けて2種類あります。木の幹のみを使用した「木部ペレット」、木全体を使用した「全木ペレット」です。ストーブによって使用できるペレットの種類が異なりますので、購入前に確認しましょう。
環境先進国、北欧の家庭で広く普及している「ペレットストーブ」。燃料は、木質バイオマス燃料のひとつである木質ペレットです。
木質ペレットは、カーボンニュートラル(※)である木が原料。利用されていない間伐材などの森林資源を活用するため、森林の整備・保全につながり、地球温暖化対策にもなるストーブです。日本でも注目が高まっており、近年の灯油価格の高騰を受けて、一般家庭にも普及し始めています。
※木は、成長過程において大気中の二酸化炭素を吸収し、蓄積します。木を原料とする木質ペレットを燃やして二酸化炭素が発生しても、同じ量の木が成長していれば大気中の二酸化炭素は増加しません。このしくみを「カーボンニュートラル」と言います。木の適切な利用は地球温暖化対策に有効なのです。
北海道の家庭で消費するエネルギーは、全国平均に比べ約1.5倍。暖冷房エネルギーだけを比較すると、全国平均の約3倍に相当します。
これは、冬の寒さが厳しく、暖房使用期間が他のエリアよりも長いことが大きな理由で、消費エネルギーの約半分が暖冷房に使われています。加えて、家全体を暖めるセントラルヒーティングを導入する北国特有の暖房スタイルが、消費量全体を押し上げているのです。
エネルギーの種類別では、道内の家庭で最も利用されているのが灯油で、以下、電気、ガスと続きます。一方、全国では電気が最多で、ガス、灯油と続きます。
北海道は暖房にかかるエネルギーの割合が高いため、「暖房にどのエネルギーを選択するか」で経費が大きく変わってきます。家を建ててからエネルギー源を変更するには、設備機器の交換などに費用がかかるため、設計段階でしっかりと考えておく必要があります。
発熱量(カロリー単位) | 発熱量(ジュール単位) | CO₂排出係数 | ペレットに代替する際に必要なエネルギー量 | |
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電気 | 860 kcal/kWh | 3.6 MJ/kWh | 0.68 kg-CO₂/kWh(北海道電力) | 電気1kWhはペレット0.195kg相当 |
LPガス | 24,000 kcal/N㎥ | 100 MJ/N㎥ | 6.01 kg-CO₂/N㎥ | LPガス1N㎥はペレット5.45kg相当 |
都市ガス(13A) | 10,850 kcal/N㎥ | 45 MJ/N㎥ | 2.08 kg-CO₂/N㎥ | 都市ガス1N㎥はペレット2.46kg相当 |
灯油 | 8,767 kcal/ℓ | 36.7 MJ/ℓ | 2.49 kg-CO₂/ℓ | 灯油1ℓはペレット1.99kg相当 |
A重油 | 9,341 kcal/ℓ | 39.1 MJ/ℓ | 2.71 kg-CO₂/ℓ | A重油1ℓはペレット2.12kg相当 |
石炭 | 6,355 kcal/kg | 26.6 MJ/kg | 2.41 kg-CO₂/kg | 石炭1kgはペレット1.44kg相当 |
薪 | 3,800 kcal/kg | 15.9 MJ/kg | 0 kg-CO₂/kg | 薪(含水率20%WB広葉樹)1kgはペレット0.86kg相当 |
ペレット | 4,400 kcal/kg | 18.4 MJ/kg | 0 kg-CO₂/kg | — |